重力換気で爽やかな我が家を実現
  
=温度差換気の基本的な考え方=



 暖かい空気は上に上がる性質を最大限に利用
   〜重力換気とは?〜

 高気密高断熱住宅では、「まず、熱い空気を外に出し、それでも暑ければ空気を冷やす」という基本を忘れがちです。例えば、車のエアコンをオンする前にまずは窓を開けて空気入れ替えますよね。家の場合には熱い空気は上に行きますから、そこに窓や排気口をつけ熱い空気は外に出すことをまずは考えたいものです。

 
特に、室内の空気が暖かいと比重が軽くなり上昇する性質を利用是非利用したいものです。建物の下部に空気の取り入れ口、上部に空気の出口を設けると効率よく換気ができます。これを「重力換気」、「温度差換気」と呼びます。
 
 換気塔
 換気量は上下の窓の垂直距離の平方根に比例します。重力換気を考慮したエコ住宅では、よく換気塔という排気穴を屋根の高い部分に設け、高さ方向の距離を確保します。

 
ロフトの換気設計
 ロフト部分は暑くて夏は立ち入り禁止地域になっている家の話は良く聞きます。それから、ロフトを部屋として使うためにエアコンをロフトにつけるというような話も聞きます。
 が、どうにも自然の力に逆らうようなもので非効率とも感じます。なぜなら、夏に関しては、1Fよりも2Fが暑く、2Fよりもロフトが暑いのは当たり前です。熱い空気が上に上がるためです。従って、ロフトに関しては熱を積極的に逃がす場所、排気を行う場所として捕らえるのが良いと思います。ロフトは1F、2Fなどより気温が高くなりますが、空気を積極的にそこから逃せば、最も温度の高い空気を逃すことが出来るので効率的です。


 天窓
 換気塔が作れなくとも、天窓を設けて換気塔と同じ役割を果たすというアイデアもあります。VELUXの天窓はそんなにべらぼうに高いわけでありません。ただし、夏の暑い日ざしを取り込み過ぎないことは十分気をつけて下さい。

 ドーマ窓
 ドーマ窓という手もあります。
屋根の位置のに窓を設けることこれも換気塔と同じ役割を果たすことが出来ます。

 ロフトの風通し
 我が家の場合、「ドーマ窓」と「天窓」で、ロフト裏に溜まった熱い空気が南北に抜けるそよ風で排気されるように工夫しました。それから、ロフトを東西に抜けるように小窓をつけました。すなわち、ロフト部分は重力換気と風による換気がダブルで利くように工夫をしたのです。なお、ロフトは2Fからの空気が容易に移動しやすいような吹き抜けになっています。

 
日本の昔からの家屋は極めて通風という観点では優れていたのだと思います。湿気の多い日本の気候に合わせて長い間に培われた知恵が、日本の昔からの家屋に凝縮されています。先達に学べば、寒い冬はともかく、春夏秋は概ね快適に過ごせるはずです。